なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

「百鬼夜行の世界」展・国文学研究資料館篇

 休館日の日曜日に行ってしまった国文学研究資料館、行ってきましたよ……(;_;)というか、こっちの会場の方がある意味充実していた……ごめんなさい……。(後悔)全体で30分くらいあればみられる分量かな。
 長いので畳みます。
 当日(2009/8/22)は、「ギャラリートーク」(小松和彦さん)がある日だったので、それも楽しんできました。私は一時間ぐらい前に行ったのですが、そのときはがらがらで、時間になると人がわさわさ集まってきました。始終ちゃんと聞いていたのは五十名ぐらいかな。やっぱり女性が多い、と思いました。年配の方も若い女性も、という感じで。
 会場のど真ん中には絵巻柄の幕がひらひらと。ほ、欲しい……(^_^;)。
 いわゆる百鬼夜行絵巻は五本のみで、特に屏風が綺麗だった。百鬼夜行絵巻は、上手いなー、下手だなー、というのと、お金かかってるなー、という区別がけっこう簡単にできるんだけど、屏風はそのうちのとてもお金がかかっていて上手いのだなあと思った。「百鬼夜行絵巻」(国立歴史民族博物館)は、特に黒色がすごく高い絵の具なんだろうなあという感じに綺麗だった。
 こちらの会場は、百鬼夜行絵巻だけではなく、文字文化の中での百鬼夜行の扱いや、その他の妖怪ものの展示もしている。
 志賀理斎という人を、私ははじめて知ったのだが、とても読書好きな人で、百鬼夜行絵巻を見た、という記述を随筆に残しているらしい。解説で知ったのだけれど、元は忍者の家系なのに忍者をやめてお奉行になったらしい。この人をネタにした小説とかないかなー。すごく読みたい。
 以前国立歴史民族博物館での展示で使用したとの、安倍清明式神と、調伏される妖たちのフィギュアは立体なのでまー見応えがあった。清明が座った状態で1mくらいかな?式神かーわーいーい(笑)。外道たちのあほ面もよいのぅ。
 残りは比較的時代の新しい、他の妖怪ものの展示。これらが私には面白かった。
 「百鬼夜行之図」(狩野東信)はラストの鍋の妖怪が愛らしかった。
 「化物婚礼絵巻」は朝日から逃げるところがある。見越入道が非常に男前。ギャラリートークによると、見越入道は江戸時代に非常に人気が高かったらしい。
 「暁斎鈍画」のめしおけも可愛かった……実物はけっこう細かくて綺麗でした。
 「滑稽百鬼夜行絵巻」はユーモラスな感じで、例のサタン黒雲があるのに、ラストは僧侶の屁で終わる。
 「百器徒然袋」は、図鑑風にひとつひとつに解説が入っている形式の和本。絵も綺麗で、かつユーモラスだ。それ欲しいかも……。展示してあったのは「古空穂」という矢入れの器の妖怪らしい。Wikipediaの写真は非常に映りが悪いなあ……。
 ラストの錦絵はどれも豪華できれいだった。特に良かったのは、「百器夜行」(月岡芳年)かな。やっぱりユーモラスな感じが私は好き。
 だいたい図録の順番に並んでいました。合わせて見るのにわかりやすくていいなあ。来週末がラスト(日曜もやってる)なので、見に行きたいかたはお早めに〜。
 最後に、小松先生への質問コーナーがあったので、おまけとして。ちょっと意訳入っているかもです。
質問一「百鬼夜行絵巻が最初につくられたのはどのくらいですか?」
 →「絵巻の形式のものは、十六世紀、室町時代ぐらいだと思われます。物語の中での化物が出てくるものは、もっと前からありました」
質問二「百鬼夜行絵巻の終わりは、朝日や黒雲だったりというパターンがありますが、絵巻の最初は?」
 →「冒頭には何かの物語があったのではないかと思われますが、不明です。」
質問三「なんで行列するんでしょうか?」
 →「パターンとしては"道を行進"、"山中から現れる"、"化物屋敷から現れる"というものがあります。ただ、お歯黒妖怪とか、明らかに"歩いてないよね?"というものもいますよね(笑)。絵巻物という形式で描いたから、"行進しているように見える"だけなのかもしれません」
 ということで、リポートでした!