読了本
- 「七花、時跳び!―Time‐Travel at the After School (電撃文庫)」未来部の後輩、七花が神出鬼没に現れたと思ったら、彼女は「時跳び」の能力を得ていた！タイムトラベルものとしては、ものすごくスタンダードなストーリーだった。「ラノベ部」ばりの軽い感じの中で語られるのが新しいけど、SFとしてはすごく、「フツー」で、SF読みには多分ものたりないと思う。ライトなSFファンならこのぐらいが面白いのかもしれないけど、私はこの作者なら、デビュー作ぐらいの黒さがあった方が好きだわー。
- 「あなたに贈るキス (ミステリーYA!)」唇同士のキスが禁止された世界。憧れていた先輩が、「キス」をしていた！？真実を探ることは、彼女にとって本当によいことなのか……。謎めいた寮制の高校でのミステリ。好物です。やや百合より。好物です。ややダーク。ええ、好きです。あー面白かった。もっと読みたかったなー。まあこのストーリーなら、そうなるかなーと思ったらやはりそちらへ……だよね！そうだよね！うむうむ。このあたりが好きな方ならおすすめ。児童が読んだらややトラウマになりそうな気もしますが、そういう話もきっと必要なのだよ。こどもにも。「六番目の小夜子」とか好きな人は面白いかも。
現在、世界のほとんどの国で、キス――唇同士を合わせる接吻は、違法行為として完全に禁止されている。
「あなたに贈るキス (ミステリーYA!)」（近藤史恵・理論社ミステリーYA!）p5より
- 「1/2の騎士 harujion (講談社ノベルス)」マドカの片思いの相手は、触れることができないひと……？早くも失恋してしまったマドカだが、周囲には憧れられる立場。そんなマドカの住む町では、最近猟奇的な事件が続いていた。どこか自分を捨てるように事件に立ち向かうマドカのそばには、いつも「騎士」がいた……。辻村深月さんばりの青春ミステリ。各話でしょうがいを扱っているのが珍しい。なかなか扱うのが難しいテーマですね。終盤は学園ものっぽさが少し薄れたのが残念でした。もすこし、学校での話も入れてもよかったんじゃないかなー。全体的には面白かったですが、もっとよくできるとこもあるかも、と思いました。
