なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • フィンスタニス統治記 小さな女王と精霊の谷 (B's-LOG文庫)」特に得意なことを持たない貴族の娘が辺境の変わった土地の領主として赴任、亜精霊たちや魔女たちの力を借りてやってきたのだが……。とうとうヒロインの兄がやってきて、おまけもやってきて、しっちゃかめっちゃかな事態になるという最終巻でした。兄がヒロインの恋路を邪魔するのかと思いきや、なにより「邪魔」なのは、二人の一人ずつのこころのなかの壁、というのがなかなか現実味があるなーと思いました。けっこう華やかないい作品になったと思うのに、これで終わりなのはちょっともったいないけど……読んだことない人はいかがですかー。地味ですけど、という作品もOKな方にはおすすめです。
  • 僕の推理とあの子の理屈 (角川スニーカー文庫)」夏休みに旧友の住む村へ避暑にでかけた高校生。その村で冬に起こった殺人事件の解決に手を貸せと言われる。正月に「昼夜逆転」するならわしから民俗学?的に話が広がるのは面白かったけど、それとあまり関連の無く解決し、親の話はどうなったの的な残念なラストだった。登場人物も大学生ぐらいに感じられる落ち着きがあって、昭和時代の青春小説みたい。女の子も年齢以外の区別があまりなく、魅力的でもなかった。残念。
  • 愛の陰影 (MIRA文庫)」パリの下町で拾った坊主を「お持ち帰り」して雇うことにした公爵。彼の目的は……。海外ロマンス、というとエロありかと思われそうですが、これは古典のためか、そういうシーンはなし。この流れでそんなシーンあったらひくしね。なにせ20以上年上。でも、どうしてもヒーローがいい!とヒロインが言うのですから、しかたないではないですか。というか、これは紫の上だよね。見つけた時には既に成人していましたが、自分のことを盲信してくれるこどものような、天衣無縫な娘。そりゃおっさんにはたまらんよ。復讐なんてあまり彼には意味なく、ストーリーにもあまり重要視されることなく、ただただ、彼女の魅力に皆さんがとらわれるのを眺めているのが楽しかったです。舞台がほとんどパリというのも、珍しくて面白かった。