読了本
- 「ただ会いたくて (ヴィレッジブックス)」女なら誰にでも(年寄りにも)優しいと評判のウィットリーフ子爵が出会った美女は、女学校の教師。不幸な身の上の彼女と「親友」になろうともちかけるが、彼女の休暇の終わりには、二人は……。このシリーズの「女学校の教師」というモノの身分の低さ(レディーがやるべき仕事ではない……そもそもレディーは仕事しないと思われているので)があるので、まあその辺りの処理もあるのですが、この巻での白眉は、ヒーローが「放蕩者」でないこと!もてるのはもてるのですが、それはヒーローがフェミニストだから、それも母親と姉だらけという家庭で育ったからこその「女性には優しくしなくては!」という男だから、ということでした。だいたい放蕩者が幸せになるなんてあんまし嬉しい気分には……ほほほ。そして、このシリーズ通して……というか作者、なのかな?女性が生きにくい時代の中、顔をあげて教師という職業を誇りに持って生きているところがよく伝わってくるのと、対等なパートナーとして見てほしい、という気持ちが気持ち良く、とても楽しく読めます。あー好きだなー。そしてそして、ヒーローがそれに応えるべく、自分を変えていくのがまた心地良い。特にこの巻は、「竜を退治する」のがいっけいけー!という感じに素晴らしかった。素直に応援したくなるカップルです。最後の巻も楽しみ!あらすじよりも、大人の女性が生きていく&伴侶を見つける物語としておすすめです!
「愛してないと言ってくれ」
ピーター「ただ会いたくて (ヴィレッジブックス)」(メアリ・バログ・ヴィレッジブックス)p487より
- 「ヒースの野に秘めた愛 (ソフトバンク文庫NV)」無口系ヒーローのサイモンは、令嬢アナベルとよんどころない事情により、出会って数日で結婚することに。「いきなり結婚→知りあう系」の話。アナベルがわりととっぴょーしもない(あられもない)こと口に出すのが面白い以外はまあまあでした。
- 「登校途中の百物語 - 鏡ヶ原遺聞 弐ノ巻 (C・NOVELSファンタジア)」妖怪どもの巣食う(笑)寺の家政夫をしている秀一は、高校に通い始めたが、妖怪を研究する部活にやたらしつこく勧誘されている。新キャラの美少女、千鶴が意外と役に立っていない……もちっとかっこよいとこ見させてあげてもいいのでは。まあ主人公ヒロインポジションだからしかたないかな……。あまりに神宮寺が精神よわよわなのがちょっとひきました。もちっと図太くいってほしい。