なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 片耳うさぎ」田舎の親戚の豪邸に居候している一家の少女が、親がいない家で(親戚はいるけど)一人なのでゆううつになっていたところ、クラスメイトの姉が、泊まってあげると言い出した。古いもの好きなその子は、家の探検を始めてしまい……。おお、楽しい楽しい。それに、キャラクターが非常に大崎梢さんぽいですね。ストーリーも面白く、ラストははらはらさせられた。大崎梢さんの既刊は全て読んだことになるが、これが一番私は好きだ。女の子二人の組み合わせが非常によいので、シリーズ化してほしい。
  • ブックストア・ウォーズ」本屋に勤める女性二人。一人は四十歳でバイト上がりの独身。一人は二十代で新婚ほやほや。感情の行き違いから二人は対立するが、書店の危機に立ち向かうため、手を結ぶ?本屋ネタをふんだんにもりこんだ一冊。まさか、「活字倶楽部」ネタまで入れるとは……。しかし、ネタで終わっていてアイデアと愛がないなあと思った。ただ取材したネタをふりまいただけという印象で終わっていて、本好きの間で噂にならないのも無理はないと思った。本筋の人間関係もどろどろしていて好みではないし。本屋POPは、私は押し売りっぽいと思ったことはないけどなあ。そういう解釈する人もいるんだね。
  • タロット探偵MIKU―風見館殺人事件 (ファミ通文庫)」タロットをもらった女子高生が、占いで事件を解決する話。主人公は内気で引っ込み思案な未来。憧れていた男子に勧誘され、探偵事務所の手伝いを始めるが……。ちゃんとミステリしてて、ミステリー文庫にはいっていそうな感じ。未来がただの可愛らしいお嬢さんのような外見で、意外としたたかなのが、女性作者っぽいですね。それが不快ではないのですが。彼が未来を「お嬢」と呼ぶのが不満です。名前呼びしてくれ!

「そうですね。女の子って誉めたらつけあがるし、叱ったら泣くし、殺したら夜中に化けて出てくるし」
未来「タロット探偵MIKU―風見館殺人事件 (ファミ通文庫)」(夏緑エンターブレインファミ通文庫)p83より