なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 荒野」十二歳の少女、荒野は人に触られるのが苦手。「恋」を知らない彼女は、一人の少年と出会うが−−ひとづきあいがあまり上手くない少女が、恋としらずに感情を育てていきつつ、一人の女性として1mmずつ成長していく話。コバルト文庫にこそ入っているべき、というような、これぞ少女小説!という話。あまり私のツボポイントばかりついてくるので、たまらなく好きだったファミ通文庫版「荒野の恋」が、ソフトカバーで、第三部を書き下ろしされて帰ってきました。私がこの話を好きなポイントは、少女時代からの成長過程を、ゆっくりゆっくり描いているところ。身体の変化、こころの変化、それにともなう嫌だというきもちと嬉しい気持ち、怖いという気持ち、その過程のひとつひとつがそそるネタばかりで、も〜たまりませんな〜というところです。女の出入りが激しい父親の影響で、荒野が少し周りよりゆっくりと、周りの様子を見ながら少しずつ変わっていくのがとてもよい。この父親がもーだめだめなところが楽しかった。「私の男」のやわらかい版というか。少女小説といっても、甘々なのではなく、荒野の周りには彼女を傷つけるものがたくさんやってきて、それでも荒野は立ち向かうのではなく、うちまかされるのではなく、すっくとただ立って周りを見ているような話なので、そういうのが苦手な人もいかがかと。今年のベスト本におそらく入れます。おすすめです。紺野キタさんが好きな方には、特におすすめ。

 書き下ろされた第三部は、後日譚のような印象を受けました。まあ、大きな展開はあったのですが、自業自得としかいいようがないですし。おほほ。とりあえず、完結おめでとうございますです。
 ……でも、「荒野」(文藝春秋)のこの装丁はないよな……はぅ。ミギーさんの挿絵が惜しい……。知らない本で文藝春秋版の表紙なら、間違いなく私は買わなかっただろう。うむうむ。
荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)ファミ通文庫版(挿絵・ミギー)
荒野文藝春秋

  • バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫)」本道に戻ってきたようで、今度はC組とF組の戦争が起きるか起きないか!というのがメインストーリー。あいかわらずなバカなやりとりを気楽に読めました。らぶ方面のアキちゃんだめっぷりも見事。