読了本

• 「美しいこと (ウィングス・コミックス)」「ふつう」のフリをしているけれど、「ほんとうにうつくしいもの」が見たくてしかたがない少女、みなこは、超能力少年という噂の夜居くんに「うつくしいもの」をみせてほしいとお願いした。夜居くんは、ある「犯罪まがい」のことでそれを確かにみせてくれたが……。橋本みつるは健在だった！花とゆめでデビュー、いくつかソニー・マガジンズからコミックスを出すも廃刊、そしてウィングスで再デビューというわけのわからない転身をしている橋本みつるだが、デビューの頃から変わらない青春の辛さと苦さと青さと絶望感といさぎよさと快感をいまだに持っている。すごいし、それはとても辛いことだろうと想像できる。絵柄はだいぶかわったけれど、橋本みつるの真髄はそのネームにあり、そのもだえるような気持ちはまだそのままだった。すごいすごい。大好きだ。青春、と言うとちょっとさわやかすぎる気がするけれど、若い頃のまだ失っていないような時期の、嬉しい楽しいだけではない感情が、快楽もあるんだけどその両方が詰まっているような物語を橋本みつるは得意としていて、それはこの作品にもよく現れていると思う。それをどろどろっとではなく、さらっと描くのも特長だと思う。おすすめです。最初はあまりにえぐい展開にどうしようかと思ったが、ちゃんと話が転がっていったので安心しました。

何でこんなに　人と感じ方が違うのかな
って色んな人がそう思ってるのかな
「美しいこと (ウィングス・コミックス)」（橋本みつる・新書館ウィングスコミックス）