なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 新・特捜司法官S-A 8 (ウィングス文庫)」未来の地球、日本州。秘密裏に事件を解決する特捜司法官の役をドラマで演じている秋津秀は、本物の特捜司法官と知り合いで、内緒で協力したりしている。この新シリーズでは、ネオヒューマンと呼ばれる、人間から発生した新しい人類と「人間」の関係を描いています。理解できそうでなかなか理解できない関係は、実は「ネオヒューマン」でなくても、現実の「若いもん」と「年寄」の間にもありそうだなーと思います。だから、その歩み寄り方は、私たちも生かせそうな気がする。麻城ゆうさんの作品は、万人にはおすすめできないんだけど、理性的な考え方がかつ女性におすすめです。SF的にスゴい!ってわけじゃないんで、そういうのを求められると困るけど、作者の理性的にものごとをすすめようとする書き方は、このシリーズには一番合っていると思います。

 忘れてた。今月からウィングス文庫の装丁が変わっているのは聞いていたのですが、背表紙があまりにイメージと違っていて気づきませんでした。なんか、BL文庫みたい……ぬぬぬ。前の装丁けっこう好きだったので残念です。

「自分は歩けない珊瑚じゃないから歩いて確かめるべきだと思う」
千秋「新・特捜司法官S-A 8 (ウィングス文庫)」(麻城ゆう新書館ウィングス文庫)p106より

  • 屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)」某国の大統領が誘拐され、日本にもいつミサイルが飛んでくるか判らないという危機感があるようなないような日常を送っている高校生たち四人は、屋上に集まったメンバーとして、「屋上部」を結成。屋上の平和を護るため、行動を起こし始める。ちょっと暴力的な解決が多いな(笑)。基本路線の青春ミステリはいいんだけど、ちっともさわやか系ではなく、かといってどろどろでもなく、ちっとばかし喧嘩っぱやい、すぐに手が出ちゃう人がメインなので、あらあらという感じに話が展開していく。非常に「このミステリーがすごい!大賞」らしいというか。わりとトンデモな展開だし。キャラクター的にはライトノベルっぽい。平原くんが非常に好みだー。自分ビジュアルではメガネかけてる。事実はしらんけど勝手に。彼は絶対主人公に惚れてるよね。そのむくわれなさがステキ(笑)。

「ひねくれてる、っていう自覚はあるんだ」とわたしはしげしげと眺める。
「ありますよ」平原が目を細める。「注意されても直すつもりはありませんけど」
屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)」(山下貴光・宝島社)p168より