読了本 - なまくらどもの記録 ver.2

「マルタ・サギーは探偵ですか? (富士見ミステリー文庫)」マルタ・サギーシリーズ長編第一巻。高校生をやめた丸太は、見知らぬコンビニでカードを一ケースもらう。そのカードは全て「名探偵」という謎のカードで、「カード戦争」に丸太はまきこまれ、異世界で一人、「名探偵」として活躍する役をふられた。かくしてマルタ・サギーが生まれた、という長編。野梨原さん節な語り口ですらすらと進みます。いろいろとお膳立てされている世界観なので、まあそういう感じで。

「死体が多すぎる (現代教養文庫―修道士カドフェル・シリーズ)」カドフェルシリーズ二冊目。修道士カドフェルの元に派遣された若者は、実は王に追われている貴族の女性だった。城で処刑された人たちを埋葬するために行ったカドフェルは、死体の数が一体多いことに気づく。その死体は、明らかに処刑されたのではなく、殺人の犠牲となった死体だった。彼女をかくまいつつ、殺人事件の捜査を行うカドフェルに、次なる困難がふりかかる。あっというまにいろいろと問題押し付けられても軽々とこなしていってしまい、終いには人の裏もかくカドフェル様がステキ。これは世界中にファンがいるのもわかる。１巻はちょっと読みづらかったけど、この巻は若者が活躍して非常に楽しかった。この巻から読むのがおすすめ。善を人に押し付ける人では全然ない、皮肉がきいた性格のカドフェル様をお楽しみください。

「さあ、飲みたまえ」なみなみとついだグラスを差しだして、カドフェルは言った。「きみがよりよい成功を収めるように乾杯だ……カドフェル以外の者を相手にして！」
カドフェル「死体が多すぎる (現代教養文庫―修道士カドフェル・シリーズ)」（エリス・ピータース・大出健訳・社会思想社現代教養文庫）p286より