なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • きのうの世界」塔と水路のある町で、殺人事件がおきた。その事件を追って現れた「あなた」と、町の人が、殺された男と会ったときの過去の話が交互に語られる。第一章の「あなた」という語り口はよかった。少し怖い展開にあっているのだろう。しかし、ラストはいつもの恩田陸だなーと思った。なんでラストはこうなるんだろう……とちゅうまでこんなに面白いのに……。ううーん。焚き火の神様はいいエピソードですね。
  • 独裁者の城塞 新しい太陽の書 4 (ハヤカワ文庫SF)」拷問者組合の徒弟であるセヴェリアンが追放処分を受けて、衰えた太陽の下の世界を彷徨するシリーズの最終巻。黒く輝く綺羅綺羅しい箱があって、その箱をのぞきこむととても深い空間がある、というような印象の物語だった。たぶん三分の一も理解できていないと思うのだが、それでも面白くないわけではなく、特に最終巻は劇中劇が面白く読めた。他の巻も、もののたとえが面白かったり、考え方が面白かったりして、楽しめなかった巻はなかった。でも、翻訳を読みなれない人にはまずおすすめしないし、読みなれててもあまりなかなかおすすめはできないなーという本でもある。幻惑的な場面があるけれど、深いSF設定が魅力らしいので、そこがはまるひとはすごくはまるだろうと思う。おすすめしてもらわなければ、なかなか最後まで読まなかっただろうから、おすすめしてくれた方にありがとうです。