読了本
- 「黄色い花の紅 (スーパーダッシュ文庫)」わりと物騒になった日本。日本人を守る組織、となっているが実質はヤクザのような団体のボスの娘が狙われ、その護衛を依頼された30目前の女性が第一部は主人公。この第一部の主人公が、草薙少佐ばりに平坦な温度の中にいい感情を伺わせてくれるのですごく面白かったのに、第二部は……まあ、こうじゃないとライトノベルにならないのかもしれないけど、まったく入り込めなかった。第一部はものっすごく好みだったのに……くやしい!あと、第二部はガンオタすぎます……タナトスシリーズぐらいうんちくが。これで「ベン・トー」がくるってのはなんかわかる。これがあるから、あの無意味な熱さもできるんだなーと思いました。
- 「鷺と雪」ベッキーさんシリーズ三作目。といっても、ベッキーさんの影はかなり薄い。昭和初期が舞台の日常の謎ミステリで、華族の令嬢だけどおとなしすぎない、はっきりとものを言うけれど男勝りでもない女の子が主人公。うんうん、このぐらいの「事件」がこのシリーズにはいいと思います。二話目はちょっとびびりましたが、まあベッキーさんがでてくるだろうとたかをくくってました(笑)。
- 「ヨルムンガンド 1 (サンデーGXコミックス)」「ヨルムンガンド 2 (サンデーGXコミックス)」「ヨルムンガンド 3 (サンデーGXコミックス)」「ヨルムンガンド 4 (サンデーGXコミックス)」「ヨルムンガンド 5 (サンデーGXコミックス)」「ヨルムンガンド 6 (サンデーGXコミックス)」借り物。つかみ所のない武器商人のココと、彼女に従うひとたちの物語。1巻は単に無表情少年がツボっただけだったけど、3巻ぐらいからぐっと面白くなった。ガンアクションがメインですが、ネームもいいなあ。「ブラック・ラグーン」ほどすさんだ感じではなく、お互いに信頼していて、家族ほど親しくはない距離感を保ちながらもいくぜ!みたいなところがいい。武器商人に恨みがありながらも、ココにはなぜか従ってしまう無表情少年のヨナもよいポイントだと思う。厭世観ではなく、この世界を描いているのがこういう話には珍しいと思いました。アクションに忌避感がない人にはおすすめです。
「でもどうしてなのかよくわからないけど、それでも僕は世界が好きなんだ。ココは?」
「その問いには答えられない。ゴメン、ヨナ。」
ヨナとココ「ヨルムンガンド 3 (サンデーGXコミックス)」(高橋慶太郎・小学館サンデーGXコミックス)p58,59
「なぜなら戦場で武器を売り歩くと、たちまち心が腐る。」
ココ「ヨルムンガンド 4 (サンデーGXコミックス)」(高橋慶太郎・小学館サンデーGXコミックス)p168
「人はこの世にドラゴンがいることを許せない。自分たちが生んだ怪物だというのに。」
ココ「ヨルムンガンド 5 (サンデーGXコミックス)」(高橋慶太郎・小学館サンデーGXコミックス)p137
「尊敬します少佐。悪党の賛辞で恐縮ですが。」
ココ「ヨルムンガンド 6 (サンデーGXコミックス)」(高橋慶太郎・小学館サンデーGXコミックス)p166