読了本
- 「エフィ姫と婚約者 (新書館ウィングス文庫)」まだ十三歳のエフィ姫が結婚を前提にかの国へ出向こうとしたが、いきなり家来たちが彼女の命を奪おうとする。なんでも、婚約者の命令らしい。なんとか逃げ延びたエフィ姫が次にとった行動は……!エフィー、ぐーっ!タイトル作はやや普通かなあと思っていたのですが、「逆転の調印式」で見事逆転されました。いやはや、どきどきというか、びびりながらも言う一言がぐっと心わしづかみ。しかもその後が……!王族ものスキーには特におすすめですが、そうでなくてもしっかりした幼い子が好きな人にはおすすめ。派手なアクションではなく、頭をつかって、行動も自分なりにして、でも誠実さも忘れない、という素晴らしい姫がデビューです。「金色の明日 (1) (ウィングス文庫)」もロリーやったけど、この作者はそういう組み合わせが好きなのかと邪推してしまいますが、私も好きです(笑)。まだいちゃいちゃにはほど遠いところがよし。これからもちょいちょい手ーだしてください>婚約者様。ていうか、続き出てくれないと困りますー。引用は、帯にもありましたが、サイコーです(笑)。
(ち、違う。ときめいてない。絶対にときめいてない。あれは、ただ……ただちょっと、心臓が勝手にドキドキしただけ!)
エフィ「エフィ姫と婚約者 (新書館ウィングス文庫)」(甲斐透・新書館ウィングス文庫)p92より
- 「続・垂里冴子のお見合いと推理 (講談社文庫)」冴子さんにお見合いの話が起こると、なんでか事件が起こる。おっとりした冴子さんは、その真実を見抜くことができる?今度はもー、お見合いの話だけがある状態で事件が起こってきた。世の中にはこんなに女がいるのにお見合いする人が多いんだな……とか(笑)。前の巻の方がコンパクトで面白かった気がします。
「大丈夫よ、お母さん。確かにわたしの縁談には、どういうわけか、いつも妙な事件が付き纏うようだけれど、最近は、それも面白いかもって思えるようになってきたんです」
垂里冴子「続・垂里冴子のお見合いと推理 (講談社文庫)」(山口雅也・講談社文庫)p215より
- 「やんごとなき読者」七十歳を超えたエリザベス女王が読書に夢中になったら……という物語。読書の魅力に取り付かれて、しまいには仕事もおろそかになっていく女王に、周囲がとまどうのが笑えた。周囲を振り回す女王がかわいらしい。
ほかにもわかってきたことがある。一冊の本は別の本へとつながり、次々に扉が開かれてゆくのに、読みたいだけ本を読むには時間が足りないことである。
「やんごとなき読者」(アラン・ベネット・市川恵理訳・白水社)p28より