読了本

• 「折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)」12世紀末の、魔術が実在する英国が舞台のミステリ。……なんてーのを米澤さんが書くとは！禁じられた魔術に身を落とした「暗殺騎士」がまた暗殺を成功させた。「暗殺騎士」を追う異国の兄弟団の騎士と領主の娘だが、犯人は見つかるのか？この設定だと、ミステリでよく言われる「動機」がないのが面白いですね。ある種の交換殺人的というか。真相が闇に埋もれていくのが、哀しい。とちゅうの戦闘シーンも盛り上がるし、探偵役の二人がかっこいい。面白かったです。おすすめ。

• 「謎解きはディナーのあとで」刑事である麗子の裏の顔は「お嬢様」。仕える執事の暴言は腹がたつが、彼の推理には一聴の価値があって……。暴言執事×お嬢様刑事のコメディミステリ。 お嬢様がちょっと言葉づかいや挙動が庶民派っぽいところが気になったけれど、（パン食う女子高生知ってるお嬢様ってなんかイヤ（笑））毒舌執事はほんとに毒舌で、ひどい……（笑）。あとはお嬢様の家族とか出てくるともっと面白くなると思います。

「正直なところ金持ちの御曹司や社長令嬢なんて大半はロクでもない人間ですよ。到底まともに付き合える人間じゃありませ――」
「謎解きはディナーのあとで」（東川篤哉・小学館）p233より