なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 竜宮ホテル 迷い猫 (f-Clan文庫)」一人で暮らしている作家の水守響呼は、もって生まれた「ちから」のために、ひとに近づくことができない。なにもかもが「不幸」だと思っていたのだが、ある人と出会って、その方向が変わってくる……?「風早の街シリーズ」の一冊(といっても、舞台が一緒なだけなのできにせず読んでおくんなまし)。少女小説というよりは、大人の女性向けの現代のおとぎ話といった感触でした。いつもの村山早紀さんだ。響呼さんの置かれた境遇は、貧しくはないけれどとても孤独。(それであっても、大家さんとか、彼女を好きでいる人はいたと思うけど)彼女の視点が変わることによって、それが少しずつ変わった角度から見えていく物語なんだろうなあ。紺野キタさんが好きな人は好きだろうと思います。
  • RINGADAWN - 妖精姫と灰色狼 (C・NOVELSファンタジア)」「妖精姫」というあだなの姫に、出会ったみずぼらしい少年。彼女の仕打ちに彼は失望したが、彼女は「私に期待しなさい」と言った。そこから、遠いようで似ている二人の道が通い始める。数年後、「妖精姫」は陰謀に苦しめられていた。「妖精」とかいってますが、ファンタジー要素のない政争ものでした。(アクションあり)ラブコメでもない。リエルとレイジの出会いは、なかなか今までにない展開で面白かったです。二人は、恋人というよりは同志みたいな関係なのかなあ。シリーズものだそうですが、次は違う国が舞台だそうです。
  • 魔女は甦る」ある青年研究者が、肉片の状態で発見された。彼の勤めていた薬物の研究所では、実は麻薬を開発していたらしいのだが……。薬を巡るミステリというよりはサスペンス。肉片というだけあり、けっこうぐろいシーンもあります。
  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)」18世紀のロンドン。解剖医のダニエルの主催する「解剖教室」では、不法に入手した遺体を解剖中に当局の捜査が入り、必死で遺体を隠したが、他の遺体が出現。他殺死体らしいこれは誰なのか?なぜ現れたのか?誰が殺したのか?ラストの方では、解剖があまり出てこなかったのがちょっと残念でしたが、過去と現代が交互に語られ、なぜ「彼」が遺体になってしまったのかが、少しずつ語られていきます。翻訳のようなクールな文体で、これを七十代の女性が書いたなんて……すごすぎるー。かっけー。ラストは先生がちょっとかわいそうかなあ……。(なんか先生好き)