なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 聖なる森の捜索者 (上) (扶桑社ロマンス)」「聖なる森の捜索者 (下) (扶桑社ロマンス)」ある島で犬の訓練士として身を立てているフィオナは、かつて犯罪の被害者となった過去があった。その傷をなんとかいやすことができたと思えてきた彼女のもとに、ある知らせが訪れる。最近知り合ったサイモンとは、お互いをタイプじゃないと言い合うが、どこかひかれるのを感じていた。すごい!こんな小説あったんだ!これは海外ロマンスの域を超えてるわ。事件が入ったストーリーの海外ロマンスって、真実味がなくてちょっと避けていたのですが、これはすっごい面白かった。ミステリ部分よりは、お互いの「領域」に踏み入るか否かをずーっと探るというよりはこれ?これ?と確認し合うのが、リアリティがあってとても面白かった。人間関係ってそんなもんだよね。犬の話としてもとてもよかった。訓練士の仕事としつけが丁寧に描かれていて、それがちゃんとストーリーに生きてくるのが快感。ヒーローのサイモンもむちゃむちゃいい。性格的には最高レベルじゃないかなあ。有言実行で、しかも傲慢・強引ではない。無口で、むしろ憎たらしいことばかり言うけれど、行動はきちんと相手を思い遣っていて、しかもそれがくやしいとか正直に言う。かっこよすぎますよ。読んでよかったー。ロマンス小説読まない方にもおすすめです!

「あなたなら、わたしを口説けるでしょう。それはふたりともわかってる。でもやめて。勝手な言い分だけど、やめて」
聖なる森の捜索者 (上) (扶桑社ロマンス)」(ノーラ・ロバーツ・野川聡子訳・扶桑社ロマンス)p235より

「あなたを操っていたわけじゃないのよ、サイモン――とんでもないわ。あなたを思いどおりにしたいなんて、考えたこともない。でも、あなたがそう思ってくれるおかげで、なにが来ても受けとめられるような気がしてきたわ。どんなことがあってもね。なぜだか自分が強くて、セクシーで、なんでもできて、器用だと思えてきた」
聖なる森の捜索者 (下) (扶桑社ロマンス)」(ノーラ・ロバーツ・野川聡子訳・扶桑社ロマンス)p249より