なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • ロマンス小説の七日間 (角川文庫)」ロマンス小説の翻訳をしている女性が、自分の生活のトラブルのストレス解消のため、翻訳ではなく、創作を始めてしまう話。いまいち面白いところがわからなかった。たぶん自分の生活と全く違うからだろう。
  • とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)」空を飛ぶ物語が好きだ。しかし、空が大好きという訳ではないし、自分が空を飛びたいという憧れを持ってもいない。「空を飛ぶこと」に対する登場人物たちの想いがいつも純粋で、その純粋さが常に嫌みでないことが、原因だろう。だから、「空を飛ぶ」物語は、純粋でいて綺麗で、よい物語が多い。そういう法則が私に存在する。そして、この物語もその一つである。

 「次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ」との命を受けた一人の傭兵。彼はこの国では差別されるべき民族の血をひくため、その腕の良さにも関わらず、傭兵という身に甘んじていた。輝かんばかりの外見を持つ次期皇妃、ファナは最初は人形のようだったが、じきに本来の姿を彼に見せ始める。
 いやー、よい。よい物語でした。という言葉がふさわしい。「空を飛ぶ」物語が好きな人なら絶好です。切ない恋の物語でもあるけど、それがうまく舞台と物語と合っていて、嫌みがなく、始終楽しく読めました。今期の新作ならベスト入りすると思います。表紙を見てこれは!と思っていたのですが、読んでみてやはり、と思った。よい買い物でした。おすすめ。

「さがれ」
ファナ「とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)」(犬村小六小学館ガガガ文庫)p322より