なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

 今日のひとりごとに読書感想追加。

  • 恋のドレスと宵の明け星 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)」「恋のドレス」を縫う縫い子のクリスと侯爵令息のシャーリーの身分違いの恋愛。ロンドンの逢瀬の後、シャーリーのどこかそっけない感じに不安を覚えたクリスは、仕事に身が入らない。すっかり不安な心地のクリスの日常と、そこに近づくジャレッド、なんとかラストでシャーリーがフォロー、みたいな。ゆれゆれなクリスがかわいーっすねー。シャーリーの阿呆はまあ割とどうでもよくて(笑)、パメラ何伏線たててるんすかっ。なんかのフラグですか?恋愛ドロドロ、みたいなのは私は苦手なのですが、このシリーズはとても楽しく読める。なんだろう、クリスが自分の利益とかを考えていないからかなあ……。クリスは幼い頃から自分の価値を低く低くすることばかりに一所懸命で、いまだにシャーリーといていいのかと疑問を持っている。それでも、シャーリーといると幸せで他の何を捨ててもいいと思ってしまう。けれど、ドレスを捨てては生きていけない。そんな矛盾した感情がよく伝わってきます。
  • ラザロ・ラザロ (ハヤカワ文庫JA)」製薬会社に対して火事で行方不明の研究者から秘密裏に取引の相談がきた。「不老」の秘密についての取引の下調べを上司に依頼された美貌の主人公は、後をつけられる。医療サスペンス。主人公は美貌の男性で、後ろ暗い過去を持つ割には、たまにこどもっぽいところをみせるのが読み続けられた勝因だと思う。耽美ーなだけの話だと、私はどうも読みづらいので。ホモセクシャルもありなので、苦手な人は手を出さないが吉。主人公はノーマルな性癖です。主人公の恋愛観がすっかり歪んでしまっているので、女の扱いがどうもなーと思うし、彼がどうもつかみ所がない人物だったのが、最後までそんな感じだったのでちょっとキャラクター的には……でしたが、緊張感ある展開はなかなか面白かった。ちょっとハードボイルド、ちょっと耽美な感じが好きな人にはおすすめです。私は上司の岩崎が一番気に入った。とってもかわいげがありつつ、部下をこきつかう上司、いいではないかっ。(笑)
  • 第一阿房列車 (福武文庫)」初代「鉄」と言われる内田百けん先生が、戦後の日本を「用もないのに」鉄道に乗るために乗っては帰ってくるエッセイ集。可愛らしいひねくれものな百けん先生のものいいが楽しいです。マンガ版(「阿房列車 1号 (IKKI COMIX)」)はとてもよい出来だなー、やはり。この空気をよく出してる。先生のおとものヒマラヤ山系君のうだつのあがらない感じもまた楽しい。