読了本
- 「PSYCHE (プシュケ) (スクウェア・エニックス・ノベルズ)」飛行機事故で奇跡の生還を果たしたぼく。しかし、それは家族が全員亡くなったということだった。一人残された家で絵を描く。その周囲では、聞き取れないけれどあやふやに存在する家族がいた。狂気と日常の狭間でゆらめくぼくの生きている世界。乙一にも近い、私の好きな内省的でやるきまんまんでは絶対にない感じだなーと思って読んでいたら、うわ、なんだこのダークな展開。まあ、タイトルから推して測るべしか……。救いのないのが、ある意味現実味があるというか。おじさんたちはどうなったんだろう。どうやら、別作家の別名儀らしいので、他の作品も読んでみるかなあ。と思ったけど、思い切りエロ方向だった。(^_^;)とりあえず、次の作品読んでみます。「ROOM No.1301」の主人公の空気が好きな人はひっかかるものがあるかも。
- 「ソフィアの宝石 -乙女は、彼に誘われる- (B’s‐LOG文庫)」リディアは王宮の舞踏会で社交界デビュー。その余韻も味あわないうちに、王子からの使いが。その内容とは……。ちっともおとめちっくでない下町育ちのリディアが、王子に対してめんどうだなーと思いながらも相手してあげるところが面白い。その裏にはまた陰謀があったりして、驚いた。えげつなー。3巻にしてなかなか面白くなってきたのでは。他のシリーズも読んでみようかな。
(着てるものはすごいけど……普通の、ただの、人間じゃないの)
リディア「ソフィアの宝石 -乙女は、彼に誘われる- (B’s‐LOG文庫)」(渡瀬奈穂・エンターブレインビーズログ文庫)p11より
- 「放課後のカリスマ 1 (IKKI COMIX)」「放課後のカリスマ 2 (IKKI COMIX)」歴史的偉人のクローンばかりを集めた学校。しかし、彼らのたどる道は安らかではないらしい……。
- 「誰かのリビングデッド〈3〉魔性 (C・NOVELSファンタジア)」リビングデッドのデルのご主人様が見つかった?プラスたちは「お兄ちゃん」に連れられて……。なんかどたばたした巻だった。これで終わりかー。結局魔女に固執したひと、ふりまわされたひとたちの物語だったのかな。なんか主人公以外は、全てがひとごとなトーンの会話でした。まあそれが面白いんだけど。
- 「待ってる 橘屋草子」小料理屋の「橘屋」を切り盛りするお多代は、厳しいけれどちんと筋を通すよい仲居頭。「橘屋」の周囲の人々のそれぞれの物語。私の好みよりは人情よりだったけど、おふく関係の三話は楽しんで読めた。おふくががんがん活躍する話だったらもっと面白かったのになあ。
頼むぞ、頼んだぞ、で男は何でも済ましちまう。だけど、女はそうはいかないだろう。
おふく「待ってる 橘屋草子」(あさのあつこ・講談社)p248より