なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)」「さよならピアノソナタ」全四巻は、青春+音楽+恋愛の傑作です。2008年の自己ベストに挙げるくらい好き*1だ。正直、杉井光はこの作品以外はぴんとこないのだけれど、この作品はすごく特別な熱と熱だけじゃないものを感じる。その短編集として一年ぶりに出た作品。幸せだった。なんかこー、シリーズが好きだった人に対するプレゼント、そして未来に対する気持ちとか、そんなものが詰まっているなーと思いました。このシリーズ読んでて良かった。私が特にぐさっときたのはユーリが主役の「ステレオフォニックの恋」。二つに引き裂かれるようなユーリの想いが変質していくところがすさまじくよかった。「最後のインタビュー」はあまりぴんとこなかったんだけど、それだけに、ラストの主役にはびびりました。あんたどんだけこいつが好きなんだ……!(笑)今までシリーズを読んできた方にはもちろんおすすめですし、シリーズ読んでない方は、「翼に名前がないなら」だけ読むなんて寸法もあったりなかったり。幸せな時間でした。ありがとうございました。

『けれど、あなたはまだその気持ちをつかめていない。それはあなたの恋ではありません。自分が恋をした瞬間のことを思い出して、それを離さないようにしなさい』
ルビンシテイン教授「さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)」(杉井光電撃文庫)p223より

 あと、サイモン&ガーファンクルの「水曜の朝、午前3時」をとても聞きたくなった。これ、持ってるCDに入ってたような気もするなあ……。iPodに入れなくては。

  • 雪の王と紅玉の少女―ミンスラー物語 (コバルト文庫)」北の都ミンスラーの言い伝えには、「ニアリード」という存在がいた。それが実在することを知った少女、グレーテは事件に巻き込まれていく。うーん……いまにぐらいでした。心理描写が深みがない、というとすごく偉そうだけど、ぐっとこない。主役のグレーテは女の子にモテという設定らしいのだけれど、なぜそこまで好かれるのかとかが伝わってこない。男子も強引でずるいところがあまり可愛くは感じられず、残念。この作者は多分合わないのでもう読まないかなー。
  • ドラグーン・デリバリー ~竜の背はまごころを運ぶ~ (HJ文庫)」竜で運び屋をしている女の子たちのお話。優秀な成績のエリートさんな女の子が新人としてやってきたのに、いきなりコマンダーになれといわれてあたふた。ハートフル方向なのかなと思ったら、いろいろな方向の話が入っていた。全体的には今一歩足らず。もうちょっと竜話があってもいいと思う。
  • 文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。」ガーリッシュな日本文芸作品を紹介する一冊。文芸は基本的に私とは合わないのですが、序文がすごくはまった。私はもうこんな「お嬢さん」ではないけど。昔Oliveも読んでいました(*^_^*)これは海外編はちょっと読まないと思うけど、この人の普通のエッセイだったら読んでみたい。

ひとりでいる時間を大切にする、聡明で誇り高いお嬢さんは、いつも本を二冊以上――読みかけの本と、出先でそれを読み終わってしまったときのための本と――鞄に入れて持ち歩いているんだってことを。
文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。」(千野帽子河出書房新社)p3より