おすすめ青春もの
最近、一般向け小説で非常に若年齢が主役の青春ものが多い、そして私が大好物なのでそのあたりのおすすめを。後ろの四冊はライトノベルですが、ファンタジーな能力とかはないので、一般の方にも読みやすいかと。
検索で「青春小説 ベスト」で来てくださった方に捧げます(笑)。
選んでみたら、一切少女ものがないことにきづいた(笑)なんとなく、「青春」というと男子ものな感じがするなー。恋愛が(比較的)薄いからかも。
・「金曜のバカ」(越谷オサム・角川グループパブリッシング)
恋愛短編集。タイトル作は、二人のバカが出会ってしまったことから、バカなことを始める話(笑)。まじでおかしすぎる。基本的には内気な男子メインなので、そういうのが好きな人にはおすすめ。恐竜オタクの彼の話もよかったー。ニヤニヤすることうけあいです。
・「昆虫部」(椙本孝思・幻冬舎)
昆虫になんて全く興味のない孤高の高校生、小栗颯太郎は、昆虫部に誘われて、ちょっとのぞいてみるつもりだっただけだった。それなのに、いつのまにか企画の主催者として……まきこまれ型部活青春もの!にゃー!文化祭は盛り上がるにゃー!(笑)弱小昆虫部がいかに文化祭に参加するかは、読んでのお楽しみですが、ちょーもりあがります。これこそ、文化祭のだいご味ですねー。青春部活ものがお好きな方ならおすすめです。にこにこ。
・「少年少女飛行倶楽部」(加納朋子・文藝春秋)
中学に入学した海月は、くされ縁の可愛い樹絵里に無理やり飛行クラブに入れさせられる。自らの力で空を飛ぶことを目指す飛行クラブは、どうやって空を飛ぶのか?飛行クラブの面々は、それぞれがヘンな名前でそれぞれに楽しいことばっかりじゃないけど、飛行クラブでいろいろなことをしていくことによって、それぞれのりこえていきます。ぐふぐふ、とにやけさせられました。
・「雨にもまけず粗茶一服」(松村栄子・マガジンハウス/ピュアフル文庫)
茶道の名門の長男として生まれた青年が、後を継ぐことが嫌になって家出。いやよいやよと言っているのになぜか茶道の本場、京都で居候生活をすることになってしまう。茶道コメディ。最初は、なんだこのダメ男、というだけだった主人公が、少しずつ、いや、でもダメだけではないかも?というところを見せてくれてきて、最後にはちゃんと女の子に惚れられる男になっていました。こういう青春ものには魅力的な大人がつきものですが、この話にももちろん魅力的なじじばばがでてきます。
「いえ、修行とは決してノリでするものではありません……」
不穏「雨にもまけず粗茶一服」(松村栄子・マガジンハウス)p123より
・「船に乗れ!」全3巻(藤谷治・ジャイブ)
音楽一族に育ち、自分もチェロを習いつつ哲学書に読みふけるような鼻持ちならない中学生が、三流音楽高校で合奏の楽しさを知っていくのだが……。青春といえば、暗い面もあるということが二巻以降で……あわわな展開でした。でも、だからこそ「青春」(まあそれだけですまされないところはあるけど)。真の青春好きにおすすめです(笑)。
・「さよならピアノソナタ」全4巻+「encore pieces」(杉井光・電撃文庫)
元天才少女ピアニスト、真冬と同じクラスになったナオ。なぜかピアノをやめてクラシックをエレキギターで奏でる真冬、いつもつっけんどんで、でもナオに話しかけてくる。彼らの物語は、どこへゆくのか。1巻は、私は正直いまいちかなーと思ったけれど、3巻を最高峰に音楽と青春と恋愛の上り調子がものすごかった。クラシックのうんちくとロックなどの他の音楽を活かした物語、その合間に入る不器用なラブがたまりません。女性にもおすすめ。音楽の疾走感とか、音楽でぐっとくることがある人なら、ぜひ読んでほしい作品です。
「ぐるっと一巡りして同じところに戻ってきたけれど、今はもう傷だらけで、かわりに自分の足だけで立っているじゃないか。それが成長じゃないというのなら、この世におとななんて一人もいないことになる」
神楽坂先輩「さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)」(杉井光・電撃文庫)p237より
・「SH@PPLE しゃっぷる」全9巻(竹岡葉月・富士見ファンタジア文庫)
男女双子入れ替わりラブコメシリーズ。絵柄こそ萌えキャラですが、中身はけっこう誠実ならぶこめです。元はコバルトで書いていた作者さんなので、女子にもおすすめ。
・「暴風ガールズファイト」全2巻(佐々原史緒・エンターブレインファミ通文庫)
淑女たちの集まる女学校へやってきた外部生は、新生ラクロス部で日本一を目指すとんでもない行動力と熱意を持つ子だった!優等生の委員長は、彼女の勢いに飲まれつつもラクロスに魅力を感じていく。青春といえばやはりスポーツ。いっこぐらいはいれておかないとね……。真っ正面から青春だけどこの話は泥臭くはないし、嘘っぽくない。スポーツだけど嫌らしくない。女の子しかほぼでてこないけど、楽しかったです。
「真剣勝負のゲームに、誰も誰も嘘はつけない! やってる人も見てる人も」
五十嵐「暴風ガールズファイト 2 (ファミ通文庫)」(佐々原史緒・ファミ通文庫)p253より
・「ベン・トー」1〜6巻(以下続刊)(アサウラ・集英社スーパーファンタジー文庫)
貧乏のあまり、半額弁当を買いにきた高校生は、そこでの壮絶な戦いを目にする。バカ小説。青春=バカですよね?(笑)「半額弁当」というばかばかしさに対して、ふざけることなく真っ正面から描く清々しさを楽しむ作品ですが、それに負けず劣らず、弁当だけでなく食べ物のうまそうなこと!たまらん〜。食べ物って、こんなおいしそうなんだよね、と思わせてくれる描写が素晴らしいです。うまいもの好きにもおすすめ。
咀嚼すると口内で肉がほどけ、野菜が躍り、そしてジューシーな肉汁が口内を満たすも香味野菜の風味がそれらを纏め上げて決して下品な味にしていない。食べれば食べるほど唾液が出てくる。そんな一品だ。
「ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (スーパーダッシュ文庫)」(アサウラ・スーバーダッシュ文庫)p66より