なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 危険な子爵に愛してると言わせる方法 (ラズベリーブックス)」かつて窮状をなんとかするため、マダム・デュプリーという架空の人物の名前をつかってドレスを仕立てて売っていた伯爵令嬢フィービー。今はそんなことをする必要はないのだが、ブティックのオーナーに脅迫され、仕立屋としてある屋敷に滞在させられる。そこで出会った伯爵令息の子爵であるウィルに興味を持つが……。お針子(正しくは仕立屋だけど)ものがすげー好きなので買ってみました。思ったほど仕立屋らしさが活かされていなくて残念でしたが、なかなか面白かった。こういういわゆるハーレクインものは、「状況」を楽しむためのもので、「設定」を楽しむまで書き込んだものは少ないんだろうなあと思います。あとは悪役やかわいそうな目に遭う人がに逃げ道が用意されていなくて、単なる「悪役」「やられ役」な感じになってしまうのが残念。エピローグに近いところで彼女の行方がわかってほっとしたけど、そこをヒロインに追わせたらもっと人間ドラマっぽくなるのに……でもそこまでしない方が、ハーレクイン読者は好きなんだろうな。ブティックのオーナーだって、そこまで悪い人にする必然性は特にない気がする。単に商売好きな、「そこまで悪者でもない」人にしてもあまり問題はないと思うんだけど、そこはまあ、「悪役への共感」をさせるためなんだろう。そういう、「瑣末なこと」を描写しないことによって、主役二人の関係性に集中させたいんだろうな、と思います。でも、そうすると人間ドラマとしてはものたりないので、たまに読んでラブコメ分を補給する分にはいいかなと思います。リン・カーランドはそのあたりが細かくフォローされている感と当時の時代感がとてもよかったです。あと、この作品はかなり「身体から入る」感が強くて、ほんとに「愛している」のか疑問でした。お互い正気に戻るタイミングがないよーな〜(笑)。女の方はちゃんと将来のこと考えているっぽかったけど、男の方は夢中なだけな感じ。こどものこととか、将来のこと考えて結婚したほうがいいんじゃーと思いましたです。

よく考えたら、西洋産の物語って、こういう「型にはまった」タイプが好きというルートがあるような(アメリカンコミックのヒーローものとか)。日本ではもっと複雑な「物語」が好まれることもある(マンガとか)けど、「型にはまった」ものはそれならではの面白さもあるんだろうなと思います。

  • 燈港メリーローズ 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)」遠縁の彼がいるという東の橙港へはるばるやってきたアゼリア。しかし、そこは彼とは違い優しいところではない?けっこう絶賛されていたのでもう少し期待していたのだが、そこまで……?という印象でした。もっと厳しい現実をつきつけられてもおかしくないのではないかと思います。