読了本
- 「吉原夜伽帳-鬼の見た夢- (ルルル文庫)」吉原に住む美貌の青年が、死んだ遊女の謎に迫る話。かつての三人の友情、というよりは疑似家族な関係がたまらんかった。そして一人を失ってからの残された二人の、選択せざるをえなかった道と、縛られたものが。逃げ場がない「吉原」という、これ以上ないデガダンスな場所にふさわしい物語、かといって綺羅綺羅しいのではなく、暗い闇の中にうかびあがる色のような物語でした。新人さんらしく、つたない部分もあったけど、それを越えてもおすすめできる物語です。これは鉄板で面白い!と予想していて、今までとっておいたんだけど、期待したとおり、面白かった!
夢も希望もあるはずない。
ここは女の苦界で、地獄なんだ。
「吉原夜伽帳-鬼の見た夢- (ルルル文庫)」(ミズサワヒロ・小学館ルルル文庫)p131より