読了本
- 「首斬り人の娘 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)」首斬り人――処刑を実行する役人は、さげすまれるべき下層民とされていたが、その町では医師としての役割も行っていたりもして、複雑な立場の人間だった。親を亡くした里子の少年が死に、その体には「魔女の徴」があったために、助産婦が「魔女」の疑いをかけられてしまう。首斬り人のクィズルたちはその疑いを晴らそうと尽力するが……。臭気漂う中世ヨーロッパの世界でのミステリ。面白いと評判だったので読んでみましたが、本当に面白かった!ハヤカワポケットミステリってたぶん初めてかそこらぐらいですが、するすると読めました。時代は昔ではあるのですが、この時代の迷信深さにいらいらしている人たちがメインなので、そこが現代人の視点と重なって魅力的なのかなと思いました。各キャラクターもまた魅力的。特に主役のクィズルは超絶かっこいい。こんなかっこいいおっさんいたらほれるわ(笑)。頭いいし、教養もあるのに、力も強くてガッツもある。完璧なのに、さらにパパとしては娘や娘の恋人に甘い。サイコーやん。娘のマグダレーナも色気むんむんと思われるのに、パパの血をひいていて薬学の知識を持っていたり、行動的でもあるし、泣いて終わりにしたりしない、かっこいい子でした。マグダレーナと禁断の恋に落ちてしまっている青年医師のジーモンも、最初は色ぼけてましたが(人が死ぬ寸前だっつーのにいちゃこいてやがった)、だんだんとがんばってきてラストにはなかなか見どころがでてきちゃったり。拷問やら魔女狩りやら悪魔やら、やたら黒いところがありますが、エンタメとしてもよくできていると思います。おすすめです。ハリウッドかどこかで映画化しないかなあ……このどろくさーい雰囲気で。
- 「女の子の昔話: 日本につたわる とっておきのおはなし」女の子が主人公の昔話の再話。への話が多い(笑)。