おすすめのネット小説書籍化作品
書店の売上でもかなり上位に食い込んできているネット小説の書籍化作品のうち、私がこれはおすすめ！というものを上げてみます。
最近は小説家になろう！サイト出身の方が特に多く感じます。
- 「辺境の老騎士」1〜2巻（支援BIS・エンターブレイン）
→「辺境の老騎士」（小説家になろう！）
オンライン・ネット小説から出版されるものの中でも、エンターブレインから出ているものは装丁や品質が一定以上で安心感がありますが、この作品はその中でも特上！アクション部分もあるのですが、食べ物がひたすらうまそうで、二巻はさらに他の要素も加わってよくなっていました。文章も安定感があって、普通の小説を読みなれた人でも違和感なく読めると思います。「精霊の守り人 (新潮文庫)」のシリーズが好きな方も楽しめるかと思います。大人にこそおすすめ。
→「ログ・ホライズン」（小説家になろう！）
MMORPG「エルダーテイル」の世界に気が付いたらいた、推定三万人のプレイヤーたち。腹黒眼鏡の参謀役、シロエは旧友とともに「冒険」を続けることとした。MMORPG世界に行ってしまった、という物語は最近流行していますが、私はこの作品が一番しっくりきました。いろいろな謎を解決するくだりや、武器ではない戦いもあったりするのですが、何よりも「燃える」！展開が楽しくてしかたなくて、毎巻毎巻買うたびに徹夜してしまいそうになってしまうぐらいの止まらない面白さです。大人にもおすすめ。
- 「wonder wonderful」（上下）（河上朔・イースト・プレスレガロシリーズ）
→therehere（河上朔さんのサイト）
異世界旅行者（こっちは王子様と出会い、らぶらぶーというふつうのファンタジー恋愛ものな展開）の妹を持つ社会人の姉が、その異世界に行ってしまったら、というところから始まり、騒動に巻き込まれていくという話。
ファンタジーっぽい出来事は起こらず、出てくる設定といえば洋風ファンタジーのような王家、政争設定のみ。いわゆる悪役がいないストーリーですが、ひとりひとりが魅力的で、読んでいてとてもしあわせになれる話です。基本は、つっぱしることしかできなかった十代の頃とは違う、大人のものの見方を楽しむ話なので、大人の女性に特におすすめ。主人公ロマンチック体質ではないので、男性でも楽しめるかな、と思います。
- 「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」1〜5巻（太田紫織・角川文庫）
→櫻子さんの足下には死体が埋まっている（E☆エブリスタ）
軽く読みたいときにぴったりな、旭川が舞台のコージーミステリ。骨マニアの美人のお嬢様に連れられて、骨拾いにでかける青年のお話。お嬢様には婚約者という微妙な関係性が楽しいです。淡々としているけれど食い意地が張っている青年の立ち位置が……性別逆にしたら完全に少女マンガだなと思いました。主人公の高校生のおっとりとしているけれど、思いやりのあるところがよいです。
→「乙女ゲーム世界で主人公相手にスパイをやっています【連載版】 」（小説家になろう！）
いきなり「俺、乙女ゲーの攻略対象なんだ」と従兄に言われた主人公が、モブの一員として攻略を見守ろう……としたら、自分もヒロインぽくなってない！？というストーリー。主人公は乙女ゲーの記憶はなく、攻略対象である従兄が記憶を持っている、という状態で、まーぼちぼちスパイでもやろうかね〜というゆるい立場なのがポイントです。文章もオンライン小説以外を読みなれた人にも読みやすいと思いますので、おすすめです。「恋だの愛だの 第1巻 (花とゆめCOMICS)」が好きな人は面白いかも。
- 「恋をしたら死ぬとか、つらたんです！」（みかみてれん・エンターブレイン）
→「恋をしたら死ぬとか、つらたんです」（小説家になろう！）
ひとつくらい、ネット小説ならではのかなり……アレな作品も（笑）。乙女ゲーの世界でなんどもなんどもリトライを繰り返す……のはいいんだけど、ゲームオーバー＝死、しかもときめいたら死ぬというかなりなイレギュラーな設定。最初こそ討死ににむなしさを感じていたけれど、だんだんとそれが快感になってきてしまうこの異常さ（笑）。ヒロインの惚れっぽい……というにはスーパースペックすぎるたらし＆過剰な思い込みがものすごい。
