読了本
- 「歓楽英雄〈中〉賭けるものなし (歴史群像新書)」「歓楽英雄〈下〉さすらいの異郷 (歴史群像新書)」なんとなく寄り集まって同居している四人の男たち。食うのに困ったら、質に出したり「狩り」にでかけたりしてなんとかやっているが、仲間の一人のお人よしさからトラブルにまきこまれがち。古龍の他の作品を読んでみたい!と言ったら、id:teatreeさんにおすすめされた作品。イラストは見なかった方針で。主役の郭大路は、(あまりにひどいことでなければ)あまり何事も気にしないおおらかな性格で、いろいろと器用にできるんだけど、金をありがたがらないので身につかなくてなくしちゃった。でもまあ友達がいるんならいいか!みたいな豪放磊落な男。王動は暇さえあれば寝ている面倒くさがり屋だけど、友達のためなら起きることも厭わない。そしてたぶん一番強いんじゃないかとおもわせてくれる男です。弟分の燕七は郭大路といつもやりあってるけど実は一番仲が良く、林太平は育ちがよさそうでどこか影がある美少年、というところかな。「義兄弟」というほど篤くはないけど、頼れる仲間がいる感じ。
中巻は王動の過去にまつわるトラブルが中心で、燕七(実は男装少女)と郭大路が女の子とはしらずいちゃいちゃしているのがもーもーもーれつに楽しかった……萌えってやつです。なんなのこの楽しさは!というくらい楽しかった。いい挿絵で見たいなあ、これ……。燕七がまたぶっきらぼうな口で、郭大好き光線出してるのがたまらん〜。そのあたりに琴線がある人はおすすめです。特に中巻。下巻は、それぞれの過去の因縁が郭以外は明らかになって……という展開。特に上中下と流れるようなストーリー!とかではなく、伏線たくさん!ではないけど、キャラクターの楽しさと、トラブルへの対応のしかたを楽しむ話ではないかなーと。そしてそれがたまらなく楽しい。郭大路は、阿呆ではないけど自分に素直という、いかにも古龍らしいキャラクターでとてもよかった。おすすめ。絶版なので図書館で。「古竜」という名前で図書館には入っているかもしれないです。
ちなみに、まったく「歴史」ものではないので、お勉強のために読むのはムダです(笑)。
「俺たちが知り合ってからまだ日が浅いが、おまえは俺の生涯で、最高の友達だと思っている。実際、王動も俺の最高の友達なんだが、でも、おまえに対するのとは何か違うんだ」
郭大路「歓楽英雄〈中〉賭けるものなし (歴史群像新書)」(古龍・中田久美子訳・学習研究社歴史群像新書)p50より
- 「ヘタリア 2―axis powers 特装版 (BIRZ EXTRA)」みかけたらやはり買ってしまった。アニメ設定用の資料、ラフなどがはいった小冊子つき。
- 「幸運を告げる者(ザ・フォーチュンテラー)―占い師SAKI (集英社スーパーファンタジー文庫)」早希は女とみまごう美貌の持ち主だが、中身は普通の大学生。彼の特技はタロット占い。その代償は、占いで出たカードのうちの一枚を早希がもらうこと。中編二話+ショート。なかなか面白かった。「カナリア・ファイル ~金蚕蠱~ (コバルト文庫)」ぽいかな。日常の謎っぽいミステリ要素が半分くらい。男のキャラクターしかいまのところいないので、元気な女の子がでてくることを期待して次いきます。