なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • プリンセスハーツ~恋とお忍びは王族のたしなみの巻 (ルルル文庫)」はたから見れば仲の良い夫婦だが、実は仮面夫婦かつ同盟関係のふたり。お祭りに二人とも別々にこっそりと参加して、それぞれあやしげな出来事に出会う。冒頭で、いきなりど変態の王様新登場。この世界の王族は全て変人なんだろうか……(笑)。政治的な場面が今回は少ないなーと思ったら、ラストできたきた!あのジルを激怒させる王子(13)すげー!このシリーズは、少女小説では数少ない、国と国のかけひきを楽しむ小説でもあります。それだけじゃなくて、じれじれもあるのが、シリーズが続いている秘訣かな。今回からイラストレーターさんが変わりました。どちらかというと、こっちの方が好みかな。
  • 女神の誓い (創元推理文庫)」「裁きの門 (創元推理文庫)」「誓いのとき―タルマ&ケスリー短編集 (創元推理文庫)」再読。人が馬と剣で戦う時代、各国はそれぞれの王侯が支配している。その馬と戦闘能力で有名な伝統ある誇り高き部族、シン=エイ=イン。その中の一族<鷹の子ら>(タレ=セイドゥリン)で評判の歌声を持つ少女タルマは、悲劇に遭う。一族をならず者の一団が襲い、タルマを残して皆殺しにされたのだ。タルマ自身も犯され、瀕死の重傷を負わされる。タルマは、<誓いを立てし者>(カル=エネイドゥラル)となって復讐することを決意する。タルマは女を手助けすることを剣<もとめ>に誓った魔法使いのケスリーと共に復讐を果たそうとするが……。

 タルマは鷹のようなごっつい顔で、ケスリーはばかな貴族のふりもできる美人、そしてタルマの相棒で皮肉屋のキリー(テレパシー能力を持つ狼?)のワールの三人が傭兵として稼ぐ間に出会う事件をつづった、まあ、言ってしまえば「ダーティペア」なのですが、この二人の生活描写が細かい。たいてい汚れててお腹がすいてて、お金がないのに「もとめ」に引きずられて(たとえどうしようもない人でも)女を助けなくてはいけない、という様子をきちんとかいているところが私は楽しくてしかたがないのです。そして何よりも魅力的なのはシン=エイ=インの設定で、生活のしかたやら用語やらがめちゃくちゃ私の心をそそります。そういう設定や用語がうざったい!とか、女ばっかり活躍するのが気持ち悪い、という人でなければおすすめです。復讐がけっこうテーマになっていたりしますが、どろどろしていなくて、そうしなければ皆のためにならないから、という気持ちも込みで実行するところがよいです。
 私の今まで読んだ小説の中のベストに入ってくるシリーズだと思います。
 やっぱり、マーセデス・ラッキー「ヴァルデマール年代記」は、これから読むのがおすすめかなー。時代順、ということで。ヴァルデマール国の設定は、いまいちとっぴなところがあったりするので、ここからなじんでいくのがいいかなあと思います。なので、時代順とするとこんな順番。
 女神の誓い (創元推理文庫)新訳 女王の矢―ヴァルデマールの使者 (C・NOVELSファンタジア)運命の剣〈上〉 (創元推理文庫)宿命の囁き〈上〉―ヴァルデマールの風・第1部 (創元推理文庫)
 「新訳 女王の矢―ヴァルデマールの使者 (C・NOVELSファンタジア)」は、学生生活から入るので、そちらが大好き!という方であればそちらからもよいかと。