なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 風の王国―うつつの夢 (コバルト文庫)」唐の時代に吐蕃に嫁いだ皇帝の姪を中心とした歴史少女小説吐蕃の隣国シャンシュン編の最終巻。この巻は、いよいよシャンシュン王の母親の内心が明らかにされます。最初からトラブル続くやね?とか思っていたら、もうこの巻はトラブルどころではなくなってしまっていた。翠蘭が出てこないとちょっと魅力が減退するけれど、やはり出てくると楽しくなってくる。でも、ここまで歴史小説ぽくなってくると、シリーズ存続が不安になってくる。歴史小説ファンの方、読んでください〜。(^_^;)最初のあたりは少女小説っぽいけど、最近のはすごいっす。あー、でも久しぶりにラセルとかに会ってなごみたい。

「泣くのは、つらさや苦しさと戦っているときですよ」
翠蘭「風の王国―うつつの夢 (コバルト文庫)」(毛利志生子集英社コバルト文庫)p208より

  • 鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕 (鉄球姫エミリーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)」ちょっと下品だけど、熱く真摯な魂を持つエミリーのシリーズ完結編。ラストで最初に戻ってきたのがとてもよかった。このシリーズは、エミリーが下ネタばかり言うんだけど、下劣ではなく、醜くなくて、でも清廉ではない。このまま死んでもそれは「終わり」や「負け」、ましてや「自己犠牲」でなんてありえない、そんな戦いと死、そして生きることの魅せ方がとてもよくて好きなお話でした。多少の下品さにくすりとできる人にはおすすめ。

 全員が無事であってほしい。もう一度、みんなと会いたい。
 あまりに身勝手で一方的な願いだ。神罰が下されてもおかしくないだろう。
 そうだとしても、この一度だけの奇跡をかなえてほしい。
ロッティ「鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕 (鉄球姫エミリーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)」(八薙玉造集英社スーパーダッシュ文庫)p222より