なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 無菌病棟より愛をこめて日常の謎もので有名な加納朋子さんの闘病記。なんと、急性白血病だったそうです。急な入院が発覚して、その日は痛みもあって寝られなかったので「HDDレコーダーのアニメを見たり整理したりしていた」とか、思わず笑ってしまいましたが、私もやってしまいそう。加納さんらしい、ユーモラスなところが特に最初の方ではよく出ていて、さらに家族の方たちが入れ替わり立ち代わり現れて、加納さん愛されているなーと思いました。そして話が進んでいくにつれ、数値に毎回どきどきさせられたり。病気って、サスペンスフルだ!病院関係者のかたたちもほんとたいへんだよなー……それでいて進歩もしなくちゃいけないってほんとたいへん。病気に興味がなくてもおすすめです。自分がなるかもしれない、そしてなっていない今はいかに幸運なのか、と思いました。そしてこんなにニヤニヤさせられるとは思ってなかったよ!これからも著作を読めることを期待しております。あ、食べ物の記述が異常に多かったのがまた(笑)。私も最近食べ物にうるさいのは、ストレスたまってて、簡単なはけ口&快楽を得られるネタだからだろうなあ……と思いました。食べ物をおいしく食べられること、大事!
  • 春告げ坂―小石川診療記」小石川療養所は江戸の「病院」。この時代では、患者は自宅看病が基本でしたが、その逆に病人を集める体制をとっている公的な施設です。そこでまだ新米の医師として日々がんばっている真摯な先生のお話。ラストの話は、先生の過去話も入ったりして、どうなるのかと思いましたが、さすが先生。しっとりとした、死を想うお話でした。伊佐次さんの話もあるみたいですね。

「残された者は苦労だが、先に逝くのも心配が尽きぬものだな」
春告げ坂―小石川診療記」(安住洋子・新潮社)p278より