なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 屍竜戦記 (トクマ・ノベルズedge)」同じ宗教で、真教と汎教の二つの宗派に別れ、国も別れてしまっている世界。真教の国で育ち、屍となった竜を操る技を使うため汎教の国に派遣された青年が主人公。屍竜を使うことは精神も肉体も蝕まれる苦役だったが、敵国でもあるため、あまり理解はされない。しかし、仲間とともにこの国を守るために彼らは今日も戦う。異世界での高瀬彼方、という印象だった。ヘビーな設定の中、苦しむ少年たち。絶望と狂気の中から彼らが見つけ出すものは?死が簡単に訪れる屍竜使いという職業と、ごみのように死んでいく平民たち。敵がだれなのか、何なのかわからなくなっていく現状。そんなものたちが上手く混ざり合っていました。残念だったのは、とちゅうにいきなりミステリがはいってきたこと。必要ないと思う〜。それ以外は、ちょっと青臭い感じも含めてよかったと思います。なかなかおすすめ。終章は驚いた。こんな短いページでそうくるか。デビュー作かと思ったら、先に出てたんだ。「終末の海 Mysterious Ark」こっちはどんなんだろ。
  • さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫)」元ピアニストの真冬たちとバンドを組んだ直巳。文化祭に向けて、編曲と戦いと練習の、怒涛の二学期が始まった――。んも、絶品!クラシックのうんちくとロックなどの他の音楽を活かした物語、その合間に入る不器用なラブがたまりません。キャラクター配置的には典型的なハーレムタイプなのですが、ひとりひとりがしっかりとそれぞれらしくいきいきとしているので、心地よく読めます。普段なら私は、真冬のようなツンデレタイプはあまり好みではないのですが、もう既に好意を自覚していて、かつそれを理解されていないことも自覚しているので、もぅ可愛らしくて。(先輩目線というか)今回は、ジュリアンがでてきたためか、真冬がメインになっていたので、もうちょっと先輩と幼馴染のいいとこも欲しかった!(あ、先輩はドレスアップしてたか……)女性にもおすすめ。音楽の疾走感とか、音楽でぐっとくることがある人なら、ぜひ読んでほしい作品です。良い意味でライトノベルらしくない端正さをもっているので、ライトノベル読み以外の方もいかがでしょうか。

 ぼくの中の、真冬のための場所が、大きくなりすぎていて。
さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫)」(杉井光電撃文庫)p238より