読了本

• 「雨にもまけず粗茶一服」茶道の名門の長男として生まれた青年が、後を継ぐことが嫌になって家出。いやよいやよと言っているのになぜか茶道の本場、京都で居候生活をすることになってしまう。茶道コメディ。京都でコメディといえば、やはり万城目学さんですが、好きな方にはいいかも。京都というと、やはりこんな雰囲気なのかなーと思わせてくれます。最初は、なんだこのダメ男、というだけだった主人公が、少しずつ、いや、でもダメだけではないかも？というところを見せてくれてきて、最後にはちゃんと女の子の惚れられる男になっていました。いやま、もともとねっこが大丈夫な子だったとは思うのですが。楽しい京都ものということで。「しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)」が好きな人にもおすすめ。ピュアフル文庫版もあります。

　あと、こういう話って、じっちゃんばっちゃんが実にかっこいいのが魅力的ですよね。この話にも、もちろん魅力的なじじばばがでてきます。

「いえ、修行とは決してノリでするものではありません……」
不穏「雨にもまけず粗茶一服」（松村栄子・マガジンハウス）p123より

• 「王宮ロマンス革命 姫君は自由に恋する (王宮ロマンス革命シリーズ) (コバルト文庫)」真綿にくるまれるようにして育った、「退屈姫」ことエヴァ。でもそのように育てられたのには、実は理由があって……。ぱっとしない王女とぱっとしない婚約者の二人が秘密を知るにつれ、成長していくしていく話、だといいなー。ラストのこのセリフにはしびれました。エヴァたんがんばれ！

「アレックス・フィルダ・ブラウドール。私はあなたに宣戦布告します。」
エヴァ「王宮ロマンス革命 姫君は自由に恋する (王宮ロマンス革命シリーズ) (コバルト文庫)」（藤原眞莉・集英社コバルト文庫）p250