- 「医学のたまご (ミステリーYA!)」ゲーム理論の天才科学者を父親に持つ中学生が、父親の作った全国テストの答えを知っていたがために日本で最高点をとってしまい、医科大学の研究室入りすることになる。同じクラスの医学マニアの手を借りて、なんとかこなしていたが、「彼が書いた」論文のことで問題が起きて……。面白かったー。フツーとはちょっと違う親を持った中学生が、なんかスーパー中学生扱いされてとまどっているうちにトラブルに巻き込まれてしまい、父親とのメールから困難を切り抜けていく、という話。父親はそばにいないけど、父親の名言はいつも側にいてくれて、という感じがよく伝わってきた。医科大学は、他のシリーズ作品と同じ桜宮市の例の病院なので、おなじみのメンバーも出演していますが、これが初めてでも問題なし。バチスタシリーズ入門編にはいいのでは。下の台詞に隠された裏の意味がもうツボ!
パパが言いたかったこと、それは、科学の前では大人も子どももない、ということだ。
「医学のたまご (ミステリーYA!)」(海堂尊・理論社YA!ミステリー)
- 「黄泉路の犬 (トクマ・ノベルズ 南方署強行犯シリーズ)」強盗犯が持ち逃げしたチワワの行方を追っていた會川たちは、犬を大量に買っている女性の家にたどりつくが、彼女の家は異常な雰囲気で……。シリーズ二冊目。今回も面白かったけど、犬が好きな人は辛い現実かもしれない。このシリーズはこういう現実の辛い面を描いていくのかなあ。なんともやるせない。自分は犬猫は飼ったことがないのですが。
- 「いちばんうしろの大魔王 ACT.3 (HJ文庫)」魔王になんてなりたくないのに、やることやること裏目に出て、魔王「っぽい」ことばっかりしてしまう、阿九斗。今回は、夏の臨海学校へ。もちろん、水着あり、だが今回はころねの様子がなんだかおかしい。やたら阿九斗に「無表情で」迫ってくるのだ!あいかわらずエロねただけど、あまり色気が感じられないので苦もなく読めます。阿九斗に色気が無いからかなー。やっぱりころねが一番好きだ〜。
- 「まどわしの教室 あやかしの鏡 2 (講談社青い鳥文庫)」篠原美季さんの別名の児童文学のシリーズ2作目。座敷童の守護を得た亜樹(男)が家に帰ってしばらくたったが、座敷童はなかなか現れない。そのうちに家は壊れるし、学校はなんだか変な雰囲気。どうなるの?やっぱりこのシリーズ、ちゃんと児童文学していて、かつ面白い!いいなー。亜樹がかなりあほなのがまた面白い秘訣かも。ほとんどなんも考えずに本能のまま生きてる感じ。苦労するね>妹(笑)。座敷童が亜樹を大好きってわけではないけど、一応守ってやるみたいなところが、ニャンコ先生(「夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)」)ぽいかも。下の台詞は、もー、ありえねー!(笑)
「チャーリー!」
亜樹「まどわしの教室 あやかしの鏡 2 (講談社青い鳥文庫)」(香谷美季・講談社青い鳥文庫)
ところで、講談社の広告見たら、「創竜伝」(田中芳樹)がYA!ENTERTAINMENT入りするそうで……ええー。あれはあまり教育に……もじょもじょ。挿絵は田島昭宇さん。まあ、私は古代中国の国名はこれで覚えて、まだ歌えますけどね。やるんなら四巻ぐらいまでで止めてほしいなー。
「都会のトム&ソーヤー」6巻(はやみねかおる・講談社YA!ENTERTAINMENT)は、創也くんの屋敷編みたいで、これは面白そう!こっちは中学生におすすめなシリーズです。特に男子。
- 「賢者はベンチで思索する」ファミレスのバイトをしているフリーターの女の子は、いつも暇な時間にやってくる老人に興味を抱く。ファミレスの外で見る彼は、どうも賢そうに見えるのだ。いろいろな日常の謎を解いてもらっていた彼が、犯罪者の疑いをかけられたとき、彼女は?これも面白かった。しばらくは近藤史恵さんでいって間違いないでしょ。日常の謎というには少々犯罪よりなネタですが、テイストはそんな感じ。フリーターの彼女の弟問題とかかわってきたり、飼い犬(こんどはいい話)の話とか。
今日、幸せな気持ちになったのは、彼がとてもいい人だったから。そして久里子が彼と楽しい時間を過ごせたから。
たぶん、彼の恋人になれなくても、そのことはなにも変わらない。
「賢者はベンチで思索する」(近藤史恵・文藝春秋)p194より
- 「獅子たちはアリスの庭で―B‐EDGE AGE (富士見ミステリー文庫)」裁判もの。ジャンル的には逆転裁判、「タクティカル・ジャッジメント―逆転のトリック・スター! (富士見ミステリー文庫)」みたいな感じに、ちょっとトンデモ入ってるようなの+幼馴染という、今の桜庭一樹さんからは考えられないような作品でした。ふつーのライトノベルかな。主人公がうだうだしていて、あまり楽しくはなかった。